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NECエレクトロニクス、低抵抗Cu配線用の新Ruバリア構造を開発

[issued: 2008.06.06]

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 NECエレクトロニクスとNEC中央研究所は共同で、Cu膜との結晶整合性と密着性に優れた新Ruバリア構造を開発した。32nm世代以降の最先端LSIや車載用途などの高い信頼性が必要とされるLSIに適用でき、多層配線の低抵抗化と高信頼化の両立に成功したとしている。この技術の適用により、従来のTa/TaNバリア構造と比較して、ビア抵抗の70%低減と信頼性の大幅な改善を確認した。

 今回開発した構造では、Tiライナー膜上にRu膜を成長させたRu/Ti積層バリア構造を採用。Ru膜中の粒界にTiを拡散させることで、Cu拡散バリア膜として優れた性質を保有することを見出した。また、Cuとの結晶整合性に優れたRuバリア適用により、電子の界面散乱抑制とCu結晶性高品質化を両立し、45nm相当の70nm配線幅に対して配線抵抗の12%低減を実現した。さらに、バルク抵抗率の小さなRuをバリア層として使用することで、ビア抵抗率の70%削減を実現した(Ru:20mΩ・cm、TaN:240mΩ・cm)。新Ruバリア構造において最下層にあるTiを、ビア底から下層のCu配線中に微量拡散させることにより、ビア近傍のCu原子のエレクトロマイグレーション(EM)の抑制を実現。これにより、EM寿命を従来比35倍改善した低抵抗・超高信頼のCu配線を実現したとしている。

 従来、バリアとして採用されていたTa/TaN膜は優れたCu拡散バリア性を有する一方、高抵抗でありCu膜との結晶構造整合性が低いため、配線内のCu膜には高欠陥密度の結晶粒界が混在していた。同社は、Cu膜との結晶整合性に優れかつ低抵抗なRu膜をバリアに採用する手法を研究してきたが、Ru膜はCu拡散バリア性がないため、高抵抗のTaNバリア膜の上へ積層成長させることでCu拡散を防ぐという手法での検討を進めてきた。この構造では、TaNだけがバリア膜としての機能を有するため、高抵抗層であるTaNの薄膜化が難しく、実用性に乏しいという問題があったという。

 新しいRuバリア構造では、TaN膜を採用することなく、Cu結晶性の制御とビア底のCu原子のEMを選択的に抑制することにより、Cu配線の低抵抗・高信頼性を実現させる。Tiライナー膜上にRu膜を成長させたRu/Ti積層バリアでは、TiがRu膜中の粒界に拡散させることで、Ru層そのものがバリア性を有するように構造を制御した。これにより、不要な高抵抗層を削減することができ、ビア抵抗を大幅に低減した。また、Ti膜はビア部分のCuに直接成膜されるため、下層配線Cuの粒界に微量に拡散し、ビア付近のCu原子の拡散を抑制する効果を引き出すという。これにより、EM耐性も向上することを確認したとしている。

 NECエレクトロニクスでは、今後、32nm世代以降の最先端LSIだけでなく、車載用途などの高い信頼性が必要とされるLSIに向け実用化を目指して積極的な研究開発活動を展開していくという。今回の研究成果は、6月2~4日)に米国サンフランシスコで開催された「国際配線技術会議(IITC 2008:International Interconnect Technology Conference、」において発表された。

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