Industry Watch

2006 Top Fab賞は、TIとChartered が獲得

[2007年02月号]

 Semiconductor International誌は、2006年のTop Fab賞に米Texas Instruments社(TI)のDMOS6とシンガポールChartered Semiconductor社のFAB7を選出した。


By Jennifer Yario
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 Semiconductor International誌が1991年に第一回目のTop Fab賞の授与を始めたとき、我々スタッフは半導体業界に影響を与えた工場をハイライトしたいと考えた。そのコンセプトは15年たった今でも続いている(過去15年間で表彰された工場はP.13の表を参照)。2006年Top Fab賞には、TIのDMOS6と、シンガポールChartered Semiconductor社のFAB7が選出された。

DMOS6

 ダラスMOS(Metal Wxide Semiconductor)工場No.6(DMOS6)は、面積19万ft2(約1万7650m2)の工場で1996年に建設され、2000年にクリーンルームは操業を開始した。この工場で、低消費電力DSPやASSPなどの広範囲の高性能半導体を製造している。工場の認定作業終了後、月産2500枚で量産を開始し、2005年4月時で月産1万4000枚まで生産能力を増加させた。DMOS6は、最高月2万5000枚まで拡大する計画である。

 同社テクノロジー・マニュファクチャリング・グループ、シニアバイスプレジデント
のKevin Ritchie氏は、DMOS6 の量産立ち上げ時には、その時点での最先端プロセス技術であるCu配線のC035で、プロセス認定に挑戦したという。TIは同時期に最先端技術で200mmから300mmへの量産移行を行っていたと同氏は述べている。専任のチームに知識を集約し、構造的なメソドロジーを構築することにより、300mm技術のプロセス認定を成功へと導いた。これにより、巨大な利益を顧客に与え、そしてTIの最初の300mm工場を成功裏に立ち上げたのである。

 DMOS6は、130nm、90nm、65nmの先端CMOS技術を使用したデバイスを大量に生産し、ベンチマークレベルの歩留まりを達成している。新製品を迅速に生産するため、マスクショップに製作の指示が迅速に出されるシステムが構築されている。主流の技術ノードはプロセス認定を経て約2年で次の技術ノードへと移行されている。130nm CMOS技術は2002年第3四半期にプロセス認定され、90nmは2004年第4四半期、65nmは2006年第2四半期にプロセス認定を終了した。現在は45nmのCMOS技術を開発中としている。

 DMOS6はCu配線を使用した130nmプロセスがカスタマ認定を経て量産を始めた最初の工場であり、130nm Cu配線ウェーハを月間1万枚の量産に達した最初の工場でもある。DMOS6は2002年7月に300mmウェーハで130nmプロセスの量産を開始している。 最初の製品は携帯電話のワイヤレスDSPだった。

 DMOS6は歩留まり改善のため、各部門にまたがるプロセスループ・チームを組織化している。これらのチームは、プロセスエンジニア、装置エンジニア、プロセスインテグレーション・エンジニアで構成されている。工場はまた、同一技術を量産している工場間の比較を容易にするため、標準化された。プロセス変更は、予期しないトラブルを避けるため、標準化された手続きのもとで運営されている。


技術者がDMOS6クリーンルーム内でイオン注入プロセスのモニタリングを行っている
(Texas Instruments提供)


コンタミ制御と環境へのインパクト

最先端工場DMOS6の外観
(Texas Instruments提供)

 DMOS6工場内でコンタミネーションは多様の方法で制御されている。クリーンルーム内は、クリーン度クラス100となっており、装置内部をクラス1に保つミニエンバイロメントを採用した製造装置を導入している。カセット内をクラス1で保持するFOUP(Front Opening Unified Pod)を工程間の搬送のために使用している。それらは色分けされ、各製造装置も同色で区別さている。位置決め用杭(ペグ)はFOUPの下部に取り付けられており、個別の色はそれぞれの機器に適合された汚染レベルで識別されている。プロセス開始前に、搬送システムは各ロットが適正な製造装置に行くように、FOUPのRF IDタグをチェックする。

 クリーンルーム内は空気圧を一定に保つため、絶え間なくモニターされている。また、エアーフローと機械設備も絶え間なくモニターされている。工場内の緊急の災害に対応するため、オートマティック呼び出し装置が設置されている。毎年もしくは化学汚染が潜在されたとき、空気中のコンタミネーションを測定している。緊急時の対応策は毎年見直しがされている。

 TIのゴールは簡潔である。我々はすべてのオペレーションで廃棄物、疾患、事故をゼロにしたいと、TIバイスプレジデントで、ワールドワイド・環境・安全・健康(ESH)担当であるBrenda Harrison氏は語った。DMOS6はTIのESHの目標に対して、多大な貢献をなしとげている。このことは、TIの伝統であり、人的資源の損失の低減と生産性向上に成果をもたらしている。

 すべての材料の80%以上がDMOS6内ではリサイクルされるために分別され再利用にまわされる。資源有効利用チームとESH保安サブチームは継続的な改善のため、有効な手段、目標の設定、ゴールと進捗度の点検を継続的に行っている。廃棄物、使用水量プロジェクトは、装置サプライヤーとの共同作業での装置の設計変更により設備の最適化を達成し、莫大な資源使用の低減をもたらした。

 DMOS6はESHガイドラインへの配慮により、TI内部のセーフティアワードを7回獲得した。そして、同工場は2006年4月に3年連続のゼロ災害の記録を達成した。

Chartered Semiconductor

 “Together We Win!!!”のスローガンのもとでCharteredのチームは働いている。最先端工場のFAB7は、130nm、110nm、90nm、65nmプロセスを使用した300mmウェーハを生産している。さらに工場は45nm技術とそれ以降の技術に対応できるよう設計されている。工場内部は、工程から工程へ、機器から機器へと、とぎれなくウェーハを搬送するコンピューター制御で自動化された材料搬送装置で構成されている。プロセスはAPC(Advanced Process Control)によって制御され、レシピマネージメントに加えて過失の発見と分類ができる支援システムになっている。

 Charteredは、IBM社、韓国Samsung Electronics社、独Infineon Technologies社と協同して共通のプラットフォームを構築している。共通のプラットフォーム構築のゴールは、すべての顧客に対してファウンドリ間にまたがる生産を前例のない自由度をもたらす。このプラットフォームをもって、ファウンドリ産業の展望が変化していく中、技術の進化の速度を改善することができた。工場オペレーション部門のシニアバイスプレジデントであるKay Chai Ang氏は、FAB7は顧客に対して予期せぬ贈り物をもたらしていると語った。顧客は、すべての優れた技術と生産技術を入手することができ、そしてCharteredのパートナー工場から同一の方法をもってキャパシティを確保することができるようになっている。このことは、顧客に柔軟性と選択への新たな基準をもたらし、開発時間の短縮に貢献している。Ang氏は共通のプラットフォームをもつ他社との緊密な協同作業に感謝していると述べた。

 FAB7は2004年8月に130nm、2004年12月に90nmの生産を順次立ち上げた。「FAB7は、4個の90nm新製品をプロトタイプから量産へと3カ月以内で立ち上げた。65nmの量産をできるだけ早く今年の初めに行いたい。そして45nmは2007年第3四半期に開発を終えたい」とAng氏は述べた。

 ランダム欠陥とシステマティック欠陥を検出し低減する方針で工場は運営されている。ランダム欠陥は工場と装置から発生するパーティクルを低減することで管理されている。システマティック欠陥は、プロダクトとプロセスからの要求に対するパラメータの感度に対して、E-テスト・データを解析し、理解、管理、最適化することによって運営されている。最適化された歩留まりは、ランダム欠陥が安定した基準に達したとき、そしてツールとプロセスの異常変動から来るシステマテック欠陥を管理することで達成される。

 ランダム欠陥とシステマテック欠陥の低減に追加して、FAB7は、歩留まりの基準レベル向上と異常変動の管理のため、インラインの欠陥検査装置を使用している。これは、電子ビーム、ベアーウェーハ検査、高解像を有す光学レビューステーション、EDX内臓のインラインSEMレビューステーション、ティルトSEM、判断機能を持つイールドディフェクトデータマネージメント・システムなどの自動欠陥検査装置群により、暗視野、明視野で欠陥を調査、分類をすることができ、ラインにフィードバックとフィードフォワードをかけることで目標が達成される。

 工場はArF(193nm)液浸露光装置、輪帯照明のための光学近接効果補正(OPC)、位相シフトマスク(PSM)を併用して使用している。ルールベースのOPCはプロセスバイアスの変動おさえ、モデルベースのOPCは、低誘電率絶縁膜(Low-k)やリソグラフィプロセスに必要とされるタイトなCDの光学的な近接効果をおさえる。グラフィックデータ・システムでの光学ルールチェック、レチクル上のタイトなCDコントロール、プロセスウインドウの検査は、実デバイスの量産立ち上げ時に歩留まりを下げる要因となる弱い箇所を見つけ出し、OPCに補正をかける。


ファブ7はESHの優れた実績により、シンガポール政府・雇用総局からゴールド・エクセレント賞を受賞している
(Chartered Semiconductor提供)


コンタミ制御と環境へのインパクト

 FAB7は周りの地域社会と環境への影響を低減するため多くの要素が盛り込まれている。工場は廃棄溶剤と酸を分けて回収する、分離した廃棄回収ラインが建設されている。操業上の利点は、複数フィルタの洗浄回数の低減、前段の逆浸透フィルタの交換回数、水再生の逆浸透の能力向上らがあげられる。最優良事例として、高いエネルギー効率をもつブラシレスDCモーターのファン設備、ビルディング自動化システム、冷暖房、空調の管理工場運営システム、太陽光の負荷低減のために、窓枠を少なくした、クリーンルームの外観らがあげられる。工場はESHの優れた実績により、シンガポール政府・雇用総局からゴールド・エクセレント賞を受賞している。


表1 15 Years of Winners




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