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自発光型をも凌駕する未来のLCD

[2007年10月号]

By Ryoichi Tetsui
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 シャープは、これまで培ってきたLCD技術を結集し、画質、薄さ、消費電力などを大幅に向上させた次世代LCDテレビの試作機を公開した。有機ELなど自発光型のデバイスが次世代ディスプレイとして騒がれるなか、未来のLCDはここまで進化することが可能になるという、究極のディスプレイを披露した。

52型で厚さ20mm、重量25kg

図 シャープが試作した52型の次世代LCD

 今回同社が試作したのは52型のLCDテレビで、画質性能においてコントラスト比は10万:1(200ルクスでのリビングコントラストは3000:1)、色再現性はNTSC比で150%、正面輝度は500cd/m2を実現している。これまでLCDの課題とされてきた動画性能や視野角性能についても、MPRT(Motion Picture Response Time)で4ms、斜め45度からのコントラスト比5000:1を達成している。

 高い表示性能に加えて、これまでにない薄型・軽量化も実現した。主要ディスプレイ部の厚みは20mm(最厚部は29mm)の薄型化に成功、重量も50型クラスで25kgと軽量化、表示周りについても上部20mm、左右25mmの狭額縁を実現している。また、年間消費電力については既存のLCDテレビのおよそ半分となる140kWh/年の低消費電力化を達成しているという。

有機ELなどの自発光型に対抗

 今後はデジタルシネマや次世代ハイビジョンなどの技術革新が期待され、薄型テレビのさらなる大型化や高画質化へのニーズはますます高まっていくとみられる。

 シャープ代表取締役社長の片山幹雄氏は、「最近では自発光型の有機ELやSEDなどが次世代ディスプレイとして扱われることが多いが、果たしてそれらが今の薄型テレビに置き換わるのだろうか」と疑問を呈する。「表示性能が優れている根拠は自発光型だからといわれるが、これはCRTが自発光型であったことや初期のLCDがCRTに比べて性能上で課題があったことが要因と思われる。しかし、今日のLCDは単に薄いだけでなく、コントラストや色表現力などの表示性能においてもCRTを凌駕するところまで高めることができる」(同氏)と述べた。

 また、片山氏はLCDの将来性についても、「LCDテレビは、単に液晶材料だけの技術だけでなく、高輝度化、高コントラスト化、色表現力の向上、高精細化、大型化、低消費電力化など、多くの技術の積み重ねやすり合わせで成り立っている。自発光型ではないゆえに、それぞれの技術分野でブレイクスルーを図ってきた。それら技術の集大成であるLCDはこれからも進化を続け、無限の可能性を持っている」と語った。


LCDの次に来るのは次世代LCD
 シャープは今回発表した試作機について、具体的な新技術の詳細、製品化の時期や価格などについては明らかにしなかった。ただ、同社では2010年3月の稼動開始を目指して大阪府境市に新工場を建設する予定で、同工場の立ち上げに合わせて、「量産できるところまで持っていきたい」(片山氏)としている。

 あくまでも試作機だが、その薄さや映像のきらめき感は見る者に十分にインパクトを与えた。しかし、これはまだ最終の姿ではなく、さらなる向上を図るという。

 「現時点でここまでできたという通過点に過ぎない。さらに進化させることで他のあらゆるディスプレイをも凌駕できる」と同社取締役ディスプレイ技術開発本部長の水嶋繁光氏は述べた。そして、「次世代の映像文化を支える本命のディスプレイとしてLCDはこれからも進化していく。現在のLCDの次に来るのは新しい次世代LCDが担う」(同氏)と力強く語った。



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