TSVプロセスは、ビアファーストかビアラスト、ビアがエッチング(もしくは穴あけ)される側から決められる。ビアラストでは、ウェーハプロセスが完了し、選択肢としてウェーハ表面もしくはウェーハ裏面から薄化後エッチングする。
ビアファーストのウェーハは一般的には研磨前の厚みを持ったウェーハ(650μm厚)で、ウェーハを垂直方向に約10%部分的にエッチングする(図1)。これはブラインド・エッチングと呼ばれていて、エンドポイントを測定しない、単純な時間固定のエッチングである。
ディープSiエッチングの一般的な方法で、最初に開発した企業の名前をとった、ボッシュプロセスと呼ばれているものがある。「ボッシュプロセスは、マスクに対して非常に高い選択比を持ったプロセスで、垂直もしくはほぼ垂直な側壁でSiに深いエッチング構造をつくることができる」とAviza Technologyエッチング部門マーケティングディレクターであるDave Thomas氏は語った。「これらはすべて肯定的である。ボッシュプロセスの否定的なところは、全プロセスを通して連続して100回ぐらい切り替える段階的な等方性エッチングと、斜め方向のエッチングが側壁に加えられ、スキャロップ(ホタテ貝のような形)と呼ぶポリマーが付着することである」。図2は、毎分約20μmとかなり高いエッチング速度で150μmの深さのホールをエッチングした断面図を示す。ビアの上部付近にスキャロップがあり中央部はわずかに曲がっている(これは完全に満足出来る)。図3はスキャロップでふさがれているのを示す。「最良のCOO(Cost of Ownership:単位製造コスト)を実現する観点からTSVエッチングを増やしたいが、スキャロップのために対処できない」とThomas氏は言う。
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Si貫通ビア:
量産準備は完了
[2008年05月号]
IDM、ファウンドリ、パッケージングハウスなどはSi貫通ビアプロセスの開発を進めている。しかし、製造コストの要求に対応するために更なる対策が必要とされているようだ。
Cu電解めっきバスの化学成分を監視と管理をし、オンラインで化学薬品を監視するような装置が量産では必要とされる
(出典:ECI Technology社)
ここ2年以内に、業界において配線の接続は直接Siを貫通して行う方法に移行するだろう。Si貫通ビア(TSV:Through Si Via)技術は、すでにCMOSイメージセンサーで量産態勢に入っている。動作Si領域は裏面からコンタクトがとられガラス上にボンドされている。積層チップのアプリケーションでTSVは、開発段階に入っており、米TechSearch International 社社長Jan Vardaman 氏によると2010年までには量産に入ると言われている。
TSVの製造において明確な一致した方式は見当たらない。本記事の取材で、IDM、ファウンドリ、外注の半導体組み立てテストの企業(OSAT)での全社的な開発プログラムを取材した。「Si貫通ビアを使用した積層チップを含むすべてのパッケージングの方式はまだ初期の段階である」とドイツLinde Group社CTOでITRS( International Technology Roadmap for Semiconductors)でInterconnect Tech-nology Working Groupの議長を務めるChris Case氏は、最近のSemiconductor International が開催したウェブキャストで述べた。「これらのほとんどは、開発の施設で行われている。ビア製造上の技術的な問題はおよそ解決されている。真の課題は、新しい方式の導入でコストを満足できるレベルまで達成できるかである」。2007年12月に発表されたITRSの最新版では、3次元パッケージングの可能な解決策を紹介していると、Case氏は語った。
ビアの寸法、ウェーハの厚み、ビアファーストかビアラストのどちらのプロセスが良いか(OSATは選択できないがビアラストが良いと思われる)、もしくは、どのメタルが最適な選択肢かの比較的単純なことに関して一致点が少ないように見える。Cu電解めっきは最初の選択肢であるが、CVDでのW成膜にも興味が示されている。パワーGaAsデバイスの裏面からのコンタクトに使用しているのと同じやり方で、電解めっきしたライナーのビアに伝導性エポキシペーストを充填する方法が注目されている。
TSVプロセスの最終的な目的は、低コストの量産を実現することである。「長期的には最大の課題は製造コストである」と米ECI Technology社バイスプレジデントのPeter Bratin氏は言う。「現在、実現した技術で多くの要因に目をつぶることがある」。電解めっきの分野において、例えば、ある企業では高アスペクト比の大きなビアを充填しようと試みているが時間がかかりすぎることが分かった。「なぜなら、ビアはダマシンプロセスで扱ったトレンチより大きく、電解めっきの作用が全く同じでではない」とBratin氏は語った。「化学薬品とめっき液の添加剤がビア充填を良好に保つための改善に必要とされる。すべての化学薬品の厳密なプロセス管理が必須である。多くの作業が化学薬品のサプライヤーや大学によってなされ、添加物の処方を改善することで改善策が見出された」。化学添加物の消費もまた重要となる。
EMC3Dの重要な目標の一つとして、TSVに対して統合した解決策を見出し、プロセスコストをウェーハあたり$200にすることがある。6)
2008年Wiley-VCHテキストの編集者であるPhil Garrou氏によると、いくつかの企業で徐々にTSVプロセスの主導権をとろうという動きがみられる。彼のハンドブックHandbook of 3D Integrationによると、従来のICファウンドリはビアファーストの前工程(FEOL)でポリをビアに充填するか、もしくは後工程(BEOL)でCuかWをビアに充填するプロセスを開発している。たとえば米Amkor社、台湾Advanced Semiconductor Engineering社、シンガポールSTATS ChipPAC社のような従来のパッケージングハウスでは、BEOL後のビアラストでCu充填のTSV技術を開発している。「ファウンドリがチップ設計者にプロセスを発表するまで、市場では最初にビアラストの技術が使われるであろう。そしてその後、ビアファーストの技術で設計され、ファウンドリによって製造されるようになると、ビアファーストの技術が顕著にマーケットシェアを取り始めるようになるだろう」とGarrou氏は言う。
TSVプロセス
概要を述べると、ビアもしくはホールは反応性イオンエッチング(DRIE:Deep Reactive Ion Etch)プロセスを用いてSi(そしてしばしば、メタルと絶縁体で覆われているレイヤー)を貫通してエッチングする。このホールは、その後一般的にはCVDで成膜された絶縁膜で覆われる。その後、Cuのデュアルダマシンプロセスで、拡散防止膜とCuシード層がPVD(物理的気相成長)によって成膜され、その後ホールがCu電解めっきによって充填される。仏Alcatel Micro Machining Systems社、米Aviza Technology社、米Lam Research社、米Semitool社、そしてその他多くの企業がTSVに関連するプロセスを開発している。本記事は、いくつかの特有の問題に焦点を当てて、これらのプロセスで経験した問題の解決策を示す。そして専門家たちが、特にコストに関連する問題を克服するために、どんな問題を見ているのかを示す。
他の種類のプロセスもまた開発されている。ウェットエッチングのプロセスがビアホールの形成に開発されている。さらにはレーザードリリングもまた実行可能な代替プロセスである。EMC-3Dは、IMAPSデバイス・パッケージング会議で、インターポーザ基板を使用することで、TSVプロセスがデバイスチップに制限をかけないことを報告した。
TSVプロセスで検討しなければならない重要な要点の1つとして、いつどこで行うかがあり、2つの主要な選択肢がある。1つ目は、ビアファーストと呼ばれ、最初にビアを設計して、CMOSもしくはBEOLメタライゼーションの前にビアを物理的に作るプロセスである。ビアファーストでは、ビアの寸法は3:1から10:1程度のアスペクト比で通常はより小さい寸法(5〜20μm幅)である。これはIDMでとられる一般的な方式である。2つ目は、ビアラストと呼ばれ、基本的にウェーハプロセスが完了時、BEOLもしくはボンディングの後にビアが作られる。この場合、プロセスはIDMかパッケージングハウスによって行われる。この場合CDは大きく(20〜50μm)、可能なアスペクト比は3:1から15:1である。Lam Researchでプロダクトマーケティング部門の上級エンジニアリングマネージャであるSteve Lassig氏は、今開発中のTSVに対する形状はほぼ2桁の大きさの相違があると語った。「我々が見ているところでは、10μm以上の深さで1μm以下の寸法から、その対極では400μmの深さで90μmのビア寸法でSi貫通ビアを実現したいという、顧客からの広い範囲の要望がある」。
ビア寸法の大きな相違の理由の1つとして、パッケージングハウス(ビアラストのプロセスを使用する)は、バリア層とシード層を成膜するのにローテクのPVD装置を一般的に使い、これらの装置はアスペクト比が3:1から5:1を越えると能力的な限界がある。なぜなら、ビアは200〜300μmの範囲のウェーハの厚みを貫通するまでかなり深くする必要があり、低いアスペクト比を保つ上でビアはそれに相当して大きく(たとえば100μm幅)する必要がある。「バリア層とシード層で充填することができるが、プロセス時間の為にどんな製造条件でもコストが法外に高くなる」とSemitoolECD技術担当ディレクターのTom Ritzdorf氏は語った。「そのような大きなビアでは熱特性についての懸念がある。CuとSiの間のCTE(熱膨張係数)が不一致のため、信頼性の問題がありそうである。アニール時にウェーハが切断されるのと同じくらい最悪なことである」と彼は言う。より高いアスペクト比で小さなビアを可能にするには、もっと高度なPVD装置に投資をするか、電解めっきによるシード層の増強技術の開発による。
Ritzdorf氏はEMC-3Dがビアファーストのプロセスに焦点を合わせていると語った。「良い点として、我々はこの技術でウェーハを流しTSVを加工する上で多くの問題がないことを十分に検討した」と彼は語った。「TSVを適用してビアラストのプロセスがCMOSイメージセンサーに対して最初に導入された。これが最初のアプリケーションで、我々にとっては明らかに重要なことであった」と彼は語った。
ウェーハ薄化
Aviza Technology PVD/CVD/Etch事業体のマーケティングディレクターであるDavid Butler氏は、通常の絶縁膜の成膜温度まで温度を変えてガラスキャリアを評価したと語った。「ディープSiエッチングプロセスは低温であり、問題はない。メタルも同様に温度が低く、問題を示さない。絶縁体も被覆率もしくは電解的特性への影響を与えない低い温度でなければならない。我々は、現在の方式と代案の方式に対して低い温度での変動について評価している。目下のところ、最悪もしくは最大温度は250℃あたりだと言われている。他方、数か月間は持つともいわれているが、我々は200℃以下から150℃の間で迅速に結果を出そうと望んでいる」。
チップ積層化の主要な問題は、ウェーハ対ウェーハ、ダイ対ウェーハ、もしくはダイ対ダイ方式のどれを使用するかである。ウェーハ対ウェーハは最も簡単であるが、2枚のウェーハの歩留まりが高いときのみもっとも費用効率がよい。不良品のダイから良品のダイへのボンディングの危険は他の方式では低減されているが、処理コストとプロセスコストは増える。
Siエッチング
図3 イオン化物理的気相成長法(Ionized PVD)による再スパッタリングが大量のスキャロップを持った側壁上を連続して覆う
(出典:Aviza Technology)
図5 直径15µmのビアは40もの個別層を貫通して開口される
(出典:Aviza Technology/Cubic Wafer)
エッチングの専門家は、除去する材質はSiであるが、一般的に上に積まれている材料が問題となると指摘する。「貫通ビアの名前はSiのみをエッチングするように聞こえるが、ウェーハ上0.5μmから5μmぐらいは伝導性の層である」とLassig氏は語った。
「異なった絶縁体の材質を持つ11層のデバイスを考えてみる。40もの異なった個別層を連続してエッチングし、そしてSi表面でエッチングを終了する」とThomas氏は追加した。これは図5でよく説明されている。「ビアはSiに到達する前に酸化膜を開口しなければならない」とButler氏は説明を加えた。「90 nmもしくは65 nmデバイスで、少なくとも10〜11のメタル層が大きな開口部の左と右側に見える。酸化膜を貫通してSiに当たるまで大きなビアをエッチングする」。この場合、すべての上面部はTSVエッチングのハードマスクの役割をする。
TSVエッチングでの主要な課題は、ことによると技術的なものではなくて、コストと性能の釣り合いを取ることかもしれない。「業界における重大な問題点として、どのように費用効率を上げるか、そしてどのように量産性を高めるかである。確かにSiへのエッチング速度は重要であるが、隙間なく充填できる正確な形状でエッチングすることができる。そして良好な電解的な結果を得ることが重要な課題となる」とLassig氏は言う。
図4 1回のパスで1µmのアルミ、3µmの酸化膜、そして70µmのSiを貫通する30µmのCDを持つTSVの例(300mmウェーハの中央部と端部)
(出典:Lam Research)
参考文献
2. A. Keigler et al., “Enabling 3-D Design,” Semiconductor International, August 2007, Vol. 30, No. 9, p. 36.
3. P. Garrou, “Perspective From the Leading Edge.”
4. P. Garrou, “Future ICs Go Vertical,”Semiconductor International, February 2005, Vol. 28, No. 11, p. SP-10.
5. “Highlights of the 2007 ITRS.”Originally broadcast Jan. 22, 2008.
6. B. Kim, “EMC-3D Consortium Targets Cost-Effective TSV Interconnects,”Semiconductor International, February 2007, Vol. 30, No. 2, p. SP-7.
3次元ICにおけるPVDインテグレーションの課題
再スパッタリング間にスキャロップと側壁上の連続した被覆
Cris Jones
PVDプロダクトマーケティングマネージャ
米Aviza Technology社
www.avizatechnology.com
Cuビアを充填する最も効率的でそして効果的な電解めっきのプロセスを確立する上で、シードメタルの連続した伝導層がSi貫通ビア(TSV)構造を覆うことが必要となる。TSVデザイン(アスペクト比が15:1以下)の多くは、PVDが要求を実現する上で低リスクの成膜技術として確立されているが、PVDにおける要望は多くの人が考えるほど単純ではない。
PVD配線技術の選択は、従来は被覆もしくは充填する構造のアスペクト比(AR)に依存していたが、ボッシュ反応性イオンエッチング(DRIE:Deep Reactive Ion Etch)プロセスを使ってTSV構造をエッチングし、高バイアスの再スパッタリングでイオン化したPVD方式でバリアー/シード層を形成する方法になっている。
ボッシュDRIEプロセスはプラズマ方式の連続した等方性Siエッチングを使い、ポリマーの付着ステップにより最終的に異方性ディープエッチングが行われる。各周期のエッチングからポリマーは生成され、Si下に露出される。Siのエッチングステップは、その後露出したSiを異方性でエッチングし、深い形状が作られ、側壁にスキャロップが形成される(図)。次のステップの間ポリマー層が堆積され、他の周期での準備の追加エッチングから側壁を保護する。各周期でSiビアの側壁にスキャロップが形成され、PVDバリアー/シードプロセスが側壁の荒れを促進する働きをする。
従来のスパッタリングが提供できなかったイオン化PVDのユニークな利点は、側壁構造の底部から材料を再スパッタできる能力であり、二次の効果として、スキャロップの下側の表面からスキャロップで覆われた場所まで材料を再スパッターできる。これは、連続したメタルの被覆が費用効率の良いめっきに必要となる。
再スパッタリングの効果はウェーハに高負荷DCバイアスを適用することによって実現される。ウェーハのバイアスは、非イオン化技術より高い運動量と指向性をもって、高AR構造での正電荷にイオン化した材質を引き込むのに主に使用され、これは顕著に底部の被覆率を改善する。さらにバイアス電圧を増やすと、ビアの側壁上の構造底部の成膜した材料をスパッタによって除去される。この効果はビアの上部領域にあるスキャロップで局部的に観察される(スキャロップの表面の粗さが最も激しい場所)。
注意深いプロセスの管理が、スキャロップの管理だけではなく、ビアの底部と表面の連続した被覆率を保証する上で重要となる。しかしビア内部の変化もしくはスキャロップの外形が被覆率に直接影響を与え、エッチングからバリアー/シード成膜を通してのインテグレーションにおける問題の完全なる理解が、積極的な時間軸を維持しCOOを低減するための製造努力に対して必要となる。
より高いARのTSV構造使用向けに開発されたTSVのアプリケーションと設計では、PVDバリアー/シードが直面する問題が難しくなっている。高度の高エッチング速度を持つDRIEのSiエッチングプロセスに課題があるにもかかわらず、再スパッタリングの技法が3次元IC製造に必要な高AR構造に、連続したメタルの被覆を維持する能力を提供する。
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