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ウェーハ両面の
オーバーレイ自動測定技術

[2008年01月号]

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Keith A. Cooper
Thomas Huelsmann
独SUSS MicroTec社
www.suss.com


 ウェーハの表と裏の両面にパターンを形成したMEMSデバイスなどの拡大が、MEMS製造プロセスの発展を促進してきた。また、ディープSiエッチングや機械的構造のリリースといった技術などにより、MEMSデバイスはリソグラフィのプロセスを成長させ、広く使われる技術へと導いている。数年前まで、厚膜フォトレジストのパターンニング、数百μmのSiエッチング、両面リソグラフィといった技術は限られたアプリケーションで使用されていたが、現在ではMEMSプロセスフローの主流になってきている。

 こうした技術の普及に伴い、プロセスステップを実行するための装置も進化する必要がある。MEMSデバイスの新たな機能のほか、既存デバイスの中でのより便利で必要とされる機能に対する要求が、ウェーハの表面と裏面のウェーハ資産を有効活用することへの要求を増幅させてきた。デバイスのレイアウトによっては、表面と裏面を1μmでオーバーレイする必要がある。パターンの微細化と表裏の厳しいレジストレーションを目指すこの傾向は、表面から裏面への形状のレジストレージョンをより密にするというニーズのほか、オーバーレイ測定装置へのニーズも後押ししている。また、裏面のパターン形成の生産量が増大することによって、裏面の測定装置も生産計画に対応するために測定を自動化していく必要がある。

高度化するアライメント要求
 両面パターニングの考え方は、決して新しいものではない。MEMSや通信デバイスのプロセスフローにおいては何年も前から存在している。Si圧力センサー、GaAs通信チップ、InPレーザーなどのデバイスでは、デバイスの機能上、あるいは捨てられてしまう基板資産を取り込んで利用するというコスト圧力により、ウェーハの裏面を利用してきた。

 裏面リソグラフィの初期の段階では、赤外線(IR)による観察システムを採用していた。赤外線光源を適正に選択して赤外線カメラと組み合わせることで、GaAsやInP、あるいはSiを含む材料で、表面の形状と裏面の形状とでアライメントを行うための画像で十分な写像性が得られていた。

 ただし、全ての基板、とくに金属化回路、Bドーピングレベルが高いSi基板、あるいはAl2O3など本質的にIRを透過しない材料では、アライメントを行うための十分な画像が得られたわけではない。この材料不透過性の問題と、微細な形状で表裏のアライメントを厳密に行う必要性により、装置サプライヤーは不透過性の高い材料でも基板の裏表を同時に観察できるように、画像取り込みソフトウェアを採用した画像処理システムを設計した。この両面アライメント技術は使い易く幅広く普及しているが、IRも埋め込み回路層やその他のデバイスレイアウトに対しては今でも有益であり、それらのプロセス方式で使用されている。

 こうしたMEMSや光電子デバイスの多くは、回路を小さくし、高速化し、あるいはコスト競争力を高めるため、日常的に幾何学形状の縮小を行ってきた。この形状の微小化により、サイズが表と表、または表と裏のオーバーレイに対するアライメント許容差を厳しくするという必要条件になっている。この現象は、デバイスがいっそう発展するとともに、市場では当たり前のようになってきている。仏Yole Development社は、2006 Global MEMSニュースレターの中で、数多くのMEMSデバイス全体で13%というCAGR(年複利成長率)を予測している。その多くでは、裏面パターン形成とそれに対応する表面から裏面への測定手順が必要である。

両面オーバーレイの要求条件
 しかし、そうしたデバイスの市場が大きくなる中、生産量が大幅に上昇すると、市場の需要に沿ってCoO(Cost of Ownership)を維持するために、プロセスと測定手順を自動化することが必要になってくる。裏面アライメントが必要なこれらのプロセスに対して、工程管理をするためには、自動測定システムを提供してほしいという当面のニーズがある。

 そうしたツールには、次のような要求条件がある。

・最大200mmまでの各種ウェーハサイズでの自動測定
・壊れやすい各種サイズの基板を高スループットで処理するロボット搬送
・プロセスと測定の柔軟性を高めるための複数の任意の測定位置へのアクセス
・繰り返し性、再現性、精度
・診断/ファクトリオートメーション:自動校正、自動診断、SECS/GEMインタフェース

オーバーレイ自動測定装置「DSM200」

図1 自動測定装置「DSM200」のレイアウト

 これらの要求条件を満たすよう設計された測定装置「DSM200」のブロック図をに示す(図1)。機械の安定性と平坦な基準面を得るためグラナイト(御影石)のベースプレートがあり、全ての動きが最小限の摩擦で行われるように、グラナイト上にXY平行移動ステージが取り付けてある。グラナイトは、測定箇所でのフォーカス再調整を最小限にする、もしくは不要にするため、表面全域で2μmの表面仕上げになるように研磨されている。

 フィールド実績のある非接触式プリアライナ付きロボット搬送システム(図2)も、プリアライナのセンサーヘッドやロボットのエンドエフェクタなどをハードウェア的にまったく交換することなく、簡単かつ迅速にウェーハのサイズを変更することができる。測定装置は完全に自動モードで動作するため、人為的な影響を受けずに表面から裏面への測定結果を50w/hの速度で測定することができる。ウェーハ上のデバイス部にて搬送の影響を受けやすいアプリケーションには、エッジバキュームの機能も用意されており、MEMSまたはオプトデバイスのアプリケーションなど、脆弱なウェーハや裏面にデバイスが構成されているウェーハを扱うことが可能である。また、ファクトリオートメーションを取り入れた最新の生産方式に対応するため、SEC/GEMインタフェース、カセット用RF IDリーダー、ウェーハIDリーダーなども用意されている。



図2 搬送ロボット、カセット、非接触プリアライナを備えた装置の外観


 オーバーレイ確認箇所を自由に、柔軟に選択できるようにするため、チャックには大きな観察領域があり、この領域内にてウェーハの上下面から容易にアクセスすることができる(図3)。6インチウェーハでは、4000mm2以上を観察することができる。

 表裏のオーバーレイの測定は、垂直に重ねた顕微鏡にて行う(図4)。表裏の基準画像をCCDカメラで同時に観察。これら2つのターゲットをCognex社製のソフトウェアに基づくパターン認識アルゴリズムを使用して確認する。ターゲットサイズは30〜300μmに対応しているが、X、Y方向共に約100μmというサイズが一般的である。Cognexシステムは、非常に耐久性があり、フィールド実績のあるソフトウェアプラットフォームを利用しているため、コントラストの変動や画像の回転、画像トーンの反転などがあっても影響を受けることがない。

 この最初の箇所で表裏のオーバーレイを確認した後、希望位置のそれぞれに対するアライメント基準がカメラの視野に入る位置にアライメントステージが自動的に移動し、プロセスが繰り返される。


図3 150mmウェーハチャックの代表的なレイアウト



図4 基準測定用に垂直に重ねた顕微鏡のレイアウト


オーバーレイのデータを数値化

 ウェーハの表面と裏面の構造物のアライメント精度を正確に測定するときの大きな課題の1つは、顕微鏡の光軸の間でのオフセットのような操作中に発生するハード欠陥にある。ウェーハを測定するたびにこうした逸脱を抑制しておくため、DSM200では、最初の測定サイクルの最後に基板を180°自動的に回転する(図5)。これによって、顕微鏡の光軸でのミスアライメントなどのエラーがキャンセルされるため、最終結果は全ての測定箇所で正確かつ信頼できるものになる。

 表裏ターゲット間の最終的なオーバーレイを次式で算出する。



 測定装置が有効であるためには、再現性と精度によって一貫した測定結果が得られなければならない。再現性を測定するため、SUSS MicroTecのリソグラフィツールでSiウェーハの表裏面パターンを作成、現像後、パターンをDSM200にて測定した。

 測定結果の再現性は、サンプルを何回もステージに載せかえて測定を行いオーバーレイの再現性を記録し、その後出力データの統計解析を行うことで数値化できる。検出の再現性は、同じオーバーレイをそのつど測定し、ドリフトやばらつきの兆候がないかデータを解析、さらに調査することで、歩留まりの向上などに役立てることができる。

 検出再現性のエラーで考えられる原因には、ウェーハチャッキングやカメラマウント用ステージの機械的ドリフト、位置検知アルゴリズムの不確実さ、装置の振動、熱ドリフトなどがある。これらの原因はどれも重大なエラーの一因になることがあり、装置を設計するときに最初からシステムレベルの視点で慎重に考慮する必要がある。

 ツールの測定精度は、リソグラフィのフォトマスクと同様に片面にCrの非常に薄いパターンがある透明基板を測定する方法で数値化した。光学的に透明でフォトマスクに対して常に平行な厚さ1mmの石英基板にレーザーライターでパターン形成し、次にパターン形成された形状をドライエッチングにて下のCr層に転写した。次に、このウェーハを上側の顕微鏡を使用してSUSS DMS200で測定し、上側形状の1つを見ながら下側の顕微鏡でも同じ形状(期待されるオーバーレイ精度0μm)を、または上面の隣の形状(期待されるオーバーレイ精度20μm)を観測した(図6)。


図6 装置の精度を数量化するため、透明基板の表裏のオーバーレイを測定



図7 2000回測定したときの検出再現性

 測定の要求条件を満たすには、オーバーレイの読み取り値を厳密に分類して、非常に高い検出再現性を示す必要がある。DSM200での上記テストの結果を示す(図7)。複数の箇所で合計2000回の測定を行った。データは、X方向について0.035μm(3σ)、Y方向では0.067μm(3σ)の精度が得られ、ツールの表裏オーバーレイの要求条件に対して必要条件となる検出再現性が1μmまたはそれより良好であることを示した。

 測定装置が2つの形状の間で明らかなオーバーレイエラーを繰り返し検知したとしても、測定装置の結果と何らかの外部測定基準との間で相関がなければ、この情報はほとんど役に立たない。Cr形状を持つ透明基板を使用した精度テストの結果をに示す(図8)。この結果は、平均+ 3σの値が0.15μm以下であることを示している。表裏面オーバーレイが必要な現行または次世代のデバイスに対して求められる性能を充分満たしていると考えられる。

 表面から裏面への高品質なリソグラフプロセスへの要求の高まりが、そうしたプロセスに対してオーバーレイを数値化するための正確な自動測定装置のニーズを作り出しているように思われる。MEMS、3次元実装など、表と裏のレジストレーションの要求条件が1μmもしくはそれより厳しいデバイスなどのテクノロジーに信頼度のおけるオーバーレイ測定方法を提供するため、高スループット用のカセットtoカセットモードで動作するツールが設計され、多くのユーザーに認定されてきている。


図8 外部標準に対するDSM200オーバーレイデータの検証


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