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マルチコアLSIの低消費電力化技術

[2008年03月号]

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試作チップ

 早稲田大学、日立製作所、およびルネサス テクノロジは、複数のCPUコアを搭載したマルチコアLSIの低消費電力化技術、プログラム処理の高速化が可能な複数CPUコアの同期技術を共同開発した。同研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構が、2005年度から実施しているプロジェクト「リアルタイム情報家電用マルチコア技術の研究開発」により実施されたもの。

 今回開発した低消費電力化技術は、複数CPUコアのうち、目標の処理時間を達成するために動作させる必要のないCPUコアの供給電源を独立して遮断したり、ゆっくり動作させても問題ないCPUコアを動作周波数を下げて動作させるもの。ハードウェアやOSによる電力制御方式と比較して、コンパイラと協調して1つのプログラムの中で各CPUコアの電源を遮断するなどの制御を行うため、微細化にともなうリーク電力の低減も図ることができる。試作したチップ上で、オーディオ圧縮用のAAC(Advanced Audio Coding)エンコードプログラムを8コアで曲長と同じ時間内に圧縮を終了するという条件下でリアルタイム実行、マルチコア用コンパイラによる電力制御機構により86%の電力削減が可能になることを確認した。

 また、今回開発した複数CPUコア同期技術は、全CPUコアあるいは複数のCPUコアが、タイミング調整が必要なプログラム部分の処理を完了したことをハードウェアで高速に検出する新たなバリア同期技術。これにより、各CPUコアは実行タイミングを合わせることができ、プログラムの次の処理を開始するまでの待ち時間を低減する。繰り返しバリア同期を行うプログラムにて評価したところ、ソフトウェアで実行するときと比べて18倍の高速化を実現できることを確認した。

 なお、今回開発したマルチコアLSI技術は、並列処理プログラムを自動作成するコンパイラの最適化を効果的に高めるよう設計され、AACエンコーダの自動並列化では、1プロセッサに比べ5.8倍の高速化を確認。今後、コンパイラの高度化によって、さらなる速度向上が期待できるという。また、従来の手動並列化では数週間単位の時間を要したが、コンパイラの利用により数分単位にまで短縮、マルチコア用ソフトウェアの開発期間を大幅に短縮することも期待されるという。



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